猫と暮らすようになった私たちの物語は、
実は1匹の犬との出会いから始まりました。
■ 2005年──1匹のビーグルとパパの人生がつながる
パパはもともと大の犬好きでした。
2005年、1匹のビーグルと出会い、毎日が明るく、にぎやかで、幸せそのもの。
その子は家族の中心で、パパの心そのものでもありました。

しかし──
12歳という年齢で、ゆっくりと天国へと旅立ちました。

あの日から、パパは深いペットロスに苦しみます。
ごはんを食べる音も、散歩道も、空気の匂いさえも、
すべてがその子を思い出させ、胸がしめつけられる日々。
その日から3年間、ずっと心にぽっかり穴があいたままでした。
■ 2020年──運命の子猫と出会う
そんなある日の仕事中。
会社の敷地内で小さな小さな声が聞こえました。
導かれるように声のする方向に向かいました。
そこには衰弱した子猫がうずくまっていたのです。
両目と鼻は目ヤニでふさがれ、
まったく見えていない状態。
生後4週間ほどの、本当に小さな命です。
でもパパは子供のころから猫に触ると、じん麻疹が出るほどの猫アレルギーでした。
普通なら触ることすら難しいはずなのに──
その子を見た瞬間、アレルギーのことを完全に忘れていました。
「この子を助けなきゃ」
ただその思いだけで、パパは子猫をそっと抱き上げました。
■ 迷わず病院へ、そして家族へ
一刻も早く治療が必要だと感じたパパは、
仕事を早退し、病院へ直行しました。

しかし、その病院では野良猫の治療は出来ないと断られてしまいました。
「それなら、今から僕が飼い主になります」
「どうか、治療をして下さい」
「こんなに小さな命が一生懸命に生きようとしてるんです!」
静まり返った病院で気が付くと、大声で叫んでいました。
その熱意に医院長先生も根負けしたのでしょう。
治療をしてくれることになりました。
点滴、目の治療、検査…
小さな体で必死に耐え、
少しずつ、少しずつ、生きる力を取り戻していきました。
治療が終わったあと、
パパはそのまま約束通り子猫を家へ連れて帰りました。

出会ったばっかりだったけれど、
そのときにはもう「この子と家族になる!」と心が決まっていたのかもしれません。
■ 猫アレルギーだったパパが──
心配だった猫アレルギーも、薬を飲みながら向き合い、
今ではほとんど症状が出ないほど落ち着きました。
あの子猫が、生きようとする力で
パパのアレルギーまで押しのけてしまったのかもしれません。
こうして、私たちと猫たちの新しい物語が始まりました。
あの日の出会いが、今の“ふくねこライフ”につながっています。


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